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吐息⇔タメイキ

恋愛・結婚生活・病気。 婚外恋愛あり、うつの通院記録あり、不妊治療記録あり。 独り言ばかりのブログ。
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2007/05/27(日) 04:38:03
 
  カウンセリング51回目  

25日は精神科へ。
空いていて予約時間をいくらも過ぎずにすぐ呼ばれた。
「1週間どうでしたか」
そう訊ねられて、先週ここへ来て話をした夜
朝まで眠れなかったことを話した。
「話したことでいろいろ考えちゃった?」
「その時のことが次から次へと思い出されてきて…。
それで、つくづく思いました。
あのことがあってから、ずっと人を信じることが出来ずに
今まで生きて来てしまったなって」
「その話をしたことで初めて気が付いた?」
「いえ、ずっと自分でも分かってました。
どれだけ信じても、どれだけ期待しても、相手に悪意がなくても
裏切られたり傷つけられたりすることはあるんだって
いつも自分に言い聞かせてました。
だから旦那が仕事のことで何度も約束を反故にしても
いつまでもダラダラと先延ばしにしていても
本気で怒ったり責めたり出来ないのは
始めから旦那を心から信じてはいないからなんです。
始めから期待なんかしてないんです。
期待したってまた同じことの繰り返しになるんだろう、
その度に落胆したり責めたりするくらいなら
最初から多分ダメだろうなって思ってた方が…」
「傷つかずに済む?」
先生が私の語尾を引き取ってそう言った。
「本当は信じなきゃって思うんです。
でもそれが出来ないんです。傷つくのが怖いんです。
もうあんな思いはしたくない、だから…」
「それはあのことがあってから?それまではそんなことなかった?」
「なかったです。それがあってからです。
もっといろんな経験をしてからあのことがあったのなら
私の感じ方も違ってたのかもしれないですけど
右も左も分からないうちに初めて好きになって
心から信じた人に裏切られた時のショックはやっぱり大きくて
それからは男女関係なく親しくなってもどこかで距離を置いてて
心を開くことは出来なくて。
そのうち感情を表に出すことさえも出来なくなっていって
相手を信じられないから自分を見せることも出来ないから
ますます信頼出来る人に出逢うことが出来なくなっていって…。
常に自分の中に自分を抑えてるもう一人の自分がいて
いつも少し離れた場所から自分を冷静に見てるんです。
それが自分で分かっててもどうにも出来ないんです…」
「それってすごく寂しいことだよね。
よっほど辛かったんだね、その出来事が。
自分の心を守るために他人を信じられなくなる…悲しいね。
…辛かったね」
先生はじっと私の目を見つめてそう言った。
先生の顔を見ていたらまた泣きそうになってしまったので
視線を逸らして少しだけ笑って見せた。

「実は初めてここに来た頃もそうだったんです。
先生には失礼なことを言ってしまいますけど
先生のような社会的地位も収入もある方に
経済的な苦しさとか仕事がみつからないとか話しても
一体どれだけ理解してもらえるのかとか
子供のことにしてもあの頃は先生が結婚されてるのか
お子さんがいらっしゃるのかも分からないで話してたんで
そういう悩みもどこまで分かってもらえるんだろう…って
いつも心の片隅で思いながら話してました。
もちろん今はそんなことないですけど」
先生は嫌な顔もせず、うん、と頷きながら聞いていた。
「それで、その眠れなかった夜、いろんなことを考えてて
どうしても先生に訊きたいと思うことがあって…」
この半年以上、ずっと訊きたくても訊けなかったこと。
今がそのチャンスだと思い切って切り出してみた。
「私が不妊検査の結果に悩んでいたとき、先生は
ご自分のことをお話してくださいましたよね。
私はここで話したことが外に洩れることはないと思うから
安心して先生にいろいろお話出来ますけど
先生が私に話されたことは私が他人に話してしまう可能性だって
ありますよね?
でも先生はすごくプライベートなことを話してくださった…。
あの時、先生はご自分のことを話さなくても
私を慰めることは出来たはずです。
どうしてですか?どうしてそんな話をしてくださったんですか?」

先生は今まで見たこともないくらい困惑した表情になった。
「うーん…
あの話をしたのはね…何て言ったらいいのかな…。
医者が自分のことを話すのはそれが必要だと思った時だけだよ。
もちろん話の内容と患者さんによってケースバイケースだけど。
僕が自分に子供がいると話したのは隠すことではないと思ったからだし
僕に子供がいるからって君より優位だとか上だとかなんて
そんなこと一切思ってはいない。
僕は運良く子供が持てたってだけの話だし、その過程で
自分が経験したことを君に話すことに不安なんかなかった。
君が他人にそれを話すかもしれないなんて考えもしなかった。
今君に言われて、ああそういうこともあるかもなって思ったくらいだし。
もちろん君が誰かに僕の話をしたって構わないと思ってるしね」
先生は笑顔で話し続けた。
「ええとね…たとえばの話だけど、禁煙したいって相談があると
僕は自分も禁煙したことを話すんだ。
頭ごなしに『タバコは身体に悪いから止めないかんよ』って言われても
『吸わない人に禁煙の辛さが分かるのか』って思うよね。
でも『僕も禁煙しました、だからあなたも一緒に頑張りましょう』って
言われたら少しは説得力もあるし共感しやすいでしょ?
不妊のことも同じだと思うんだ。
いくら僕が『子供がいてもいなくても幸せには変わりない』とか
『子供のいない夫婦は羨ましいくらい仲がいい』って言ったところで
君にしたら『子供のいる先生に何が分かるんだ』って思うでしょ。
だから偶然ではあっても同じ経験をした人間として
それを君に話すことで気持ちは分かるよってことを伝えたかったんだ。
グループセラピーってあるでしょ。
あれをすることで悩んでるのは自分だけじゃない、
自分の辛さを分かってくれる人がいるって思える。
今は僕と君の二人だけどそれと同じ事が出来るかなと思ったんだ。
同じ経験をしてるから君の気持ちは多少なりとも理解出来るよって
伝えたかったんだ。
それで君に僕の言葉が少しでも届いてくれれば、って。
…それで分かってくれるかな?」

額に指を当てたり脚を組み替えてみたり、頬杖をついてみたり。
初めて見た、先生がこんなにも迷いあぐねて言葉を探す姿を。
それでも私の目を真っ直ぐ見つめて真摯に答えてくれる先生に
私は感謝の気持ちでいっぱいで言葉が出なかった。
「…ありがとうございます」
それ以上話すと泣いてしまいそうでそれだけ言うのが精一杯だった。
先生はにっこり笑って頷き「じゃまた来週にしとこうね」と言って
予約表に次回の日時を記入して私に差し出した。
それを受け取りながら私は今までずっと言いたくて
でもタイミングが掴めず言いそびれてきた言葉を告げた。
「私…先生に診ていただけて本当に良かったと思ってます」
言えた。ちゃんと先生の顔を見て。
…少し泣きそうな笑顔になってしまったけれど。
先生の顔に満面の笑みが広がった。
「本当?そう言ってもらえると僕も本当に嬉しいよ。ありがとう」
口先だけじゃない、そう思えるくらい弾んだ口調でそう言ってくれた。
またひとつ、先生の素顔が見れた気がした。
私が笑えば先生も笑顔を返してくれる。
だからこれからも出来るだけ笑顔で話せるようにしよう、と思った。
先生の笑顔は私の心の拠りどころだから。

自宅から近いというだけで選んだ病院。
そこに先生がいたことも、先生が主治医になったことも
先生の治療方針や考え方の相性が合っていることも
少なからず同じ悩みを経験していたことも、全部、全部、偶然。
うつになってしまったことは少し辛いけれど
それがなければ先生は絶対に関わることのない人だったはず。
矛盾だらけだけれど、今は心から思う。

先生に出逢えて、よかった。

今回も前回同様の処方。
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