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吐息⇔タメイキ

恋愛・結婚生活・病気。 婚外恋愛あり、うつの通院記録あり、不妊治療記録あり。 独り言ばかりのブログ。
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2007/04/20(金) 23:45:15
 
  カウンセリング47回目  

【報告:4/13『最初の男、最後の女』を一部改変しました】

今日は診察日。
待合の人数はそこそこという感じで、私は週刊誌を手にして
空いている椅子に腰を下ろした。
パラパラとページをめくっていて、違和感を覚えた。
活字が見にくい。
まるで老眼の人のように週刊誌を離したり近づけたりしてみたが
やっぱりピンボケと言うかかすんでいると言うか、よく見えない。
…頭痛の前兆だ。
今週に入ってから眼の奥の軽い痛みを時々感じるようになってきたので
そろそろくるかな、とは思っているが気が重い。
診察室に入ると先生が書類の入った病院の封筒を差し出してきた。
「紹介状書いといたよ。はい」
「ありがとうございます」
…ん?封がされてない?紹介状って患者が見れる物なの?
先生はカルテをめくって「あれ?」とつぶやいた。
「あ、しまった。僕コピー取ってないや。ごめん」
そう言って先生は照れ笑いしながらおどけた感じで
子供のように両腕を私の方に突き出して掌を広げた。
私は封筒を返しながら
『普段もこんなふうに家族に接してるのかな』
とふと思って、それからちょっとへこんでしまった。
「ごめんね、後で受付から渡すね。
で、調子はどうかな?」
めまいの頻度は減ったものの相変わらず続いていることを報告した。
「そのめまいは続くの?その時だけ?」
「ぐらっときてその後はすぐ治まります。
ただ、その他の時…急に振り向いた時とか立ち上がった時とかに
軽いめまいが起きてそれは短時間ですけど少し続きます。
あと歩いてる時の振動が普通以上に直接頭に響く感じがすると言うか…
それがくらくらと言うかふわふわした感じになってる気がします」
「うーん」
先生は私の話を聞いて、先週見た医学書をまた書棚から持ってきた。
脚を組みその脚の上に医学書を乗せて指で文字を追う姿は
普通なら『偉そうな態度の医者だな』と思うところだけれど
フィルターの掛かった私の目にはそう映らないのが
我ながらばかばかしいと思った。
「やっぱり内耳性かなぁ。一度耳鼻科行った方がいいかもしれない」
「耳鼻科ですか」
「もちろん精神的な原因もあるとは思うけど。
頭を動かしてる時に頻発するとなると内耳性○○○(ド忘れ)めまいの
可能性が高いような気がするし。
めまいを止める薬もあるけど効くかどうかは分からないなぁ…」
「四六時中じゃないんで出来たら薬はあんまり…」
「そっか。まあもし耳鼻科行ったとしたら多分薬出されると思うけど」
「…考えてみます」
「うん。じゃあ薬はこのまま変えずにおくね。
あと群発頭痛のことだけどね。
激痛だと思うんだけど…僕の教えられた知識としては、ね。
僕は経験がないから実際の痛みの程度は分からないけど。
それはどう?」
「眼の奥の神経を鷲掴みにされるような感じですね…」
「ああ、それじゃやっぱりそうなのかなぁ。
その辺のことも○○先生に話してみて」
「あの…○○クリニックって△△△△駅近くの病院ですか?」
「そうそう。知ってる?」
「先週先生がお名前言われた時に聞いたことがある気がしたんです。
ネットで調べてみたら市内にはそこしかなくて神経内科だったんで
多分そこなのかなぁって」
「うん、そこそこ。
僕が昔△△△△病院にいた時お世話になった先生なんだ。
て言っても随分年上の先生だけどね」
「そうなんですか」
なんて話をしながら、もし私が紹介先の病院の場所を訊かなかったら
この先生多分そんな説明することも忘れてただろうな、と思った。
さすがに1年もほぼ毎週顔を合わせて話をしていると
だんだん先生のことも分かってくるものだ。
結構せっかちだとか、見掛けと違って大雑把だとか。
整理整頓が苦手そう(デスクの上が結構乱雑)だとか。
分からないことは分からないとはっきり言ってくれることとか。
専門外の分野であっても患者を抱え込もうとする医者も多い中で
患者の側に立ってきちんと対処してくれるのは重要なことだ。
相性もあるだろうけど、私にとって良い主治医なのは間違いない。

「他に何か気になることはある?」
「えと…これは今に始まったことじゃなくて昔からなんですけど
最近特によく感じるようになったことで…。
その…他人の笑い声が気になるんです。
普通の笑い声は全然何とも思わないんですけど
たとえばすれ違った直後の笑い声とか、目が合った後の笑いとか…。
人に聞こえないように抑えてるような
ちょっとばかにしたような笑い方ってありますよね。
笑ってる人の視界に自分が入ってると思えるような状況で
そういう笑い声が聞こえると自分が笑われてるんじゃないかと
思っちゃったりするんです…」
「いわゆる被害妄想みたいな感じだね。全部自分に来てる、みたいな」
「まさにそんな感じです。みんなが自分を見てるわけはないんだし
思い過ごしだとは分かってるんですけど気になってしまって」
「心配事や不安があるとそういう些細なことも気になるよね。
特に自分に自信がなくなってる時はそうなりがちだよね。
でも被害妄想って言っても君自身がそうじゃないって自覚してるし
重い精神病、たとえば分裂病とかそういう類の被害妄想とは別物だから
心配することはないと思うよ。
気持ちが上向きになって自信が戻ってくればすぐになくなるから。
心配しなくても大丈夫だよ、ね」

『自分に自信なんか持てたことはありません』
そう言いたい衝動に駆られて先生の顔を見た。
そこには笑顔があった。
先生は『自分に自信を持て』とは言わなかった。
『そんなの気のせいだよ』とも言わなかった。
言われれば私ももっと卑屈になる。そんなの分かってる、と。
それを分かっているのか、ただ私を安心させるように
真っ直ぐ私の目を見つめて笑いかけてくれる先生のやり方は
陽性転移を上手く利用されているようでちょっとずるい、とも思う。
でも見つめられることで、勢いだけで口から出そうになる言葉に
ブレーキが掛かり考え直す間を与えてくれるのも事実だ。
この時も先生の視線が私に向いてなかったら
多分もっと自分を卑下する言葉を吐いていたことだろう。
そして自己嫌悪に陥る羽目になるのだ。
いつも変わらない真っ直ぐで濁りのない先生の目。
その目が私を何度も深みから引き上げてくれている。

そして同時に私を別の深みへと誘うのだ。
先生の意図しない、別の場所へ。
だから、先生を意識していなかった最初の頃に比べて
視線を合わせる時間がどんどん短くなっていっているのだ。
目が合っていると恥ずかしくて仕方ないから。
…もっともっと長く見つめていたいのに。

会計の時に紹介状をもらった。
案の定しっかりと封がされて〆印まで押されていた。
透かして見ても複写紙だし、そもそも先生の文字では判別不能。
内容は気になるが来週になったらすぐに行って来よう。
耳鼻科の方はもう少し様子を見てみることにしよう。

今回も前回と同様の処方。
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